ずいぶん間を開けてしまいました。風景写真展の感想を続けます。
この展示会に行く直前に、図書館で「写真を愉しむ」(飯沢耕太郎、岩波新書(2007))を借りて読み終わったばかりだったので、写真に対する姿勢が少し変わったのを自覚していました。機材を扱ったり撮影テクニックを学ぶだけが写真の楽しみ方ではないのですね。写真集を買う、展示会へ足を運ぶ、「この写真なら買って帰りたい」と思いながら展示されている作品を見てみる、等々、この新書には参考にさせてもらいました。
日本は世界にもまれな絶景・秘境・幽玄な風景がたくさんあるので、風景写真専門の会がもうあるかと思っていたのですが、「日本風景写真協会」は意外にも2002年に結成された若いサークルでした。メンバーは1500名弱、各支部は38カ所。広島支部は昨年誕生したのだそうです。
本部は京都にあり、四季のある日本の移りゆく自然の姿や、急速になくなりつつある古民家を撮影し、特殊な高級印刷の写真集も出版しています。
サイト
撮影場所の清掃をし、自然環境の美化にも力を入れているそうです。好ましい姿勢だと思います。
写真展に話を戻すと、(写真はどうしても決まった形になりがちなので)整然と額が壁にかけられていました。
撮影場所を見ると、広島展と銘打った割には、大分の山奧や長野の山中や岐阜の高原など、いわゆる名スポットが目立っていたようです。上にリンクしたサイトには、日本全国の名スポットの案内が事細かに書かれています。
美しい場所まで行っていい写真を撮るには、体力と忍耐が不可欠ですね。いまの僕にはできそうにありません。
宮島水中花火大会や、尾道の夕暮れの海の写真には、ほっとさせられました。
部屋の中央に置かれたテーブルに、写真集が4冊ほど置かれていました。
後ろの方に撮影データがきちんと掲載されていたのでざっと読んだのですが、本当にフィルムカメラで撮っている人がほとんどでした。機種には詳しくないのですが、古いものもデジタル一眼が出る過渡期のものも、また35mmでなくペンタックスの645Nなどの中判フィルムカメラユーザーもかなりいました。
巻頭の会長さんかどなたかの方の挨拶文には、「デジタル作品が増えてきたが、色が濃いなど不自然にレタッチされたものがいくつかある。あくまで自然の色合いを大切に忘れずにして欲しい」、と書かれていました。今回の広島展示会でも、「原則としてフィルム」「デジタル作品には(D)と書き添えておく」としてあって、先日コダックが35mm判フィルムの生産を中止する発表をしたにもかかわらず、まだまだ自然を写すにはフィルムの方が適していると考えられている様子です。富士フイルムには「プロビア」などのブランドフィルムがあるので、それがなくならない限りフィルムで撮影する人は減らないでしょう。(デジタルカメラからフィルムカメラに乗り換えた人もいるそうですよ)
おおまかな感想。
「自然を写すには、最適なロケーションを決めて、時間をかけてシャッターチャンスを待つ」
という大変な苦労が要ることがわかりました。僕がやるのはまず無理かなぁ~。
それに、僕の撮りたい対象は街角のスナップや建物・道路・人物なので、この展示会とはちょっと方向性が違います。といっても、デジカメ歴1~2年なのでまだ方向性が固まっているかどうか。
また写真展を見に行きたいです。いま、ひろしま美術館で「絵画と写真の交差 印象派誕生の軌跡」が開かれています(7月20日(月・祝)まで)。今年生誕170年の世界最初のカメラ「ダゲレオタイプ」を見るのが楽しみです。また、ルネサンス期の遠近法確立から写真、その30年後に編み出された「印象派絵画」までを通して見て、視覚芸術の変容を楽しめればいいなと思います。
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